2025年8月8日、OpenAIが最新モデル「GPT-5」を正式リリースしました。
博士号レベルの知能をうたうこのモデルは、推論精度の向上やハルシネーション(誤情報)の減少、そして新機能「思考プロセスの可視化」などで注目を集めています。
しかし、リリースからわずか1日で、ネット上では賛否が大きく分かれました。今回は、日本と海外のユーザー評価を比較しながら、その背景を整理します。
日本ユーザーの反応
好意的な声
- 推論性能の向上:「期待と回答のギャップが減った」「コーディングや業務支援で使える範囲が広がった」
- 自然な会話:「タメ語や柔らかい口調が面白い」「親しみやすさが増した」
- 技術面での高評価:ビジネス活用や専門的なコード生成の精度が向上
- 「GPT-5は、コーディングやエージェント能力に優れており、自走力が高い」といった投稿がX(旧Twitter)に見られます。
否定的な声
- モデル選択の制限:「他のモデルが消え、GPT-5しか使えなくなった」
- 初期不具合:スペルミス・タイプミスが複数報告されました。
- 使用制限の厳格化:「Plusでもすぐ制限に達する」「思考モードは週200メッセージまで」「誤回答や使用制限等でもmini・nanoモデルに置き換わってしまう」「PlusユーザーでもProと同じ感覚で使えない」など、不満・フラストレーションも目立ちます。
海外ユーザーの反応
好意的な声
- 無料ユーザーへの恩恵:高性能モデルがより広く利用可能になったことへの評価
- 安定した推論精度:旧モデルよりハルシネーション(誤情報)が減少
- 一部開発者からは「ソフト開発能力は大きく進化」との評価
- 実用性・効率アップ:一部ユーザーは「速度・応答時間の改善」を体感
- OpenAIからも「効率が上がり、全てのユーザーに提供できる」と説明
否定的な声
- 基本的な間違い:計算ミス(小数の引き算など)
- スペルミスや存在しない地名生成をしてしまう(例:”New Jefst”, “Mitroinia”)
- デモでのグラフ表現ミス(50%を誤描画)
- 品質のばらつき:同じ質問でも正確な時と間違う時がある
- 旧モデルへの愛着:「4oの方が人格的だった」「まるで友達を失った気分」
- 使用制限と機能制限:PlusでもPro同等の自由度はない
日本と海外ユーザーの評価比較表
観点 | 日本ユーザー | 海外ユーザー |
---|---|---|
性能評価 | 推論・コーディング精度の向上を評価 | 推論・正確性・ハルシネーション減少を評価 |
会話体験 | タメ語や自然な口調が好評 | 会話よりも機能・正確性重視 |
制限への不満 | 他モデル削除、週200件制限に強い不満 | 制限強化、旧モデル廃止への不満 |
感情的反応 | 実用性重視の意見が多い | 旧モデル喪失に強い感情的ショック |
不具合報告 | mini/nanoへの切替、初期エラーへの指摘 | スペルや地理など初歩的エラーへの批判 |
総評
GPT-5は、日本では「業務・技術面の進化」に注目が集まり、海外では「旧モデルへの愛着」との対比で語られる傾向が強いことがわかります。
どちらの地域でも、性能面では一定の評価を受けている一方、使用制限やモデル選択制限が大きな不満点として共通しています。
今後、OpenAIがこれらの制限や不具合をどのように改善していくかが、ユーザーの信頼回復の鍵となるでしょう。