2025年8月11日、漫画『はじめの一歩』の作者である森川ジョージ先生が、X(旧Twitter)で自身の「画像生成AI」に対する考えをまとめた投稿を固定ポストとして公開し、ネット上で大きな話題となりました。
本記事では、その投稿内容や周囲の反応を整理し、森川先生がAI技術にどのような姿勢で向き合っているのかを丁寧にご紹介します。
投稿の背景と意図
森川先生は固定ポストにて、これまでから現在に至るまでの自身の考えをまとめた画像を提示し、次のように呼びかけました。
「長いけど、何か言う前に画像の文章を読んでくれたらいいと思うよ。」
この一文からは、誤解や感情的な議論を避けるために、まず文脈を理解した上で意見を交わしてほしいという、丁寧かつ冷静な姿勢が読み取れます。
森川先生のAIに対する主な考え方
- AIは画材のひとつ
AIは水彩絵具やデジタルペンと同じく「道具」であり、創作の手段のひとつと位置づけています。重要なのは、尊敬と誠実さを持って自分の作品に取り込むことだと述べています。 - 感情論ではなく事実に基づく議論を
AIを巡る賛否は感情的になりやすいテーマですが、森川先生は「感情」と「事実」を切り分け、冷静に議論することの重要性を強調しています。 - 著作権・学習データの扱いへの慎重な姿勢
AIによる学習が「盗用」と一方的に断じられる難しさに触れつつも、現行の著作権法では対応しきれない課題があることを認め、議論の必要性を示しています。 - 悪用防止とルール作りの必要性
自動車にスピードリミッターがあるように、AIにも悪用防止のための制御や社会的ルールが必要であるとしています。
ネット上での反応
森川先生の投稿はX上で大きな議論を呼びました。
- 「道具としてのAI」という姿勢を評価する声
- 立場が否定寄りなのか肯定寄りなのか分かりにくいという指摘
- AI推進派と見られてきた過去との矛盾を指摘する批判
このように、受け取り方は人によって異なり、賛否両論が交錯しています。
ですが、いずれの反応もAIがもたらす創作環境の変化と、それに伴う倫理・法制度の整備が喫緊の課題であることを浮き彫りにしています。
まとめ
森川ジョージ先生のAIに関する発信は、単なる賛成や反対の立場表明ではなく、「創作と道具の関係をどう捉えるか」という根本的なテーマを含んでいます。
その根底には、感情的な衝突ではなく、事実や文脈に基づいた冷静な議論を重視する姿勢があります。
著作権や倫理の問題を避けず、創作活動と技術進歩の両立を模索する姿勢は、多くのクリエイターやファンにとっても考えるきっかけとなるでしょう。
AI技術は急速に進化を続けています。こうした冷静な視点が、今後の健全な創作環境や法整備において、重要な道しるべとなるかもしれません。