はじめに
近年、AI技術の進化により、文章や画像だけでなく、動画制作までもが身近なものになってきました。その中でも注目されているのが、X(旧Twitter)と連携するAIとして知られるGrokです。Grokは、対話を通じてアイデアを整理したり、表現の方向性を考えたりするのが得意なAIで、動画制作の「発想段階」から大きな力を発揮します。
今回は、そんなGrokを活用して「冬を感じる動画」を作ってみた体験をもとに、どのようにアイデアを膨らませ、動画イメージを形にしていったのかを紹介します。AI動画制作に興味がある方や、季節感のある表現を作りたい方の参考になれば幸いです。
GrokとはどんなAIか
Grokは、質問に対して率直で分かりやすい回答を返すことを特徴とするAIです。時事ネタや感覚的な表現にも強く、「どんな雰囲気にしたいか」「どんな感情を伝えたいか」といった抽象的な相談にも応じてくれます。
動画制作においては、いきなり映像を作るのではなく、
- テーマの整理
- 世界観やストーリーの発想
- 見る人に伝えたい感情の言語化
といった部分で特に役立ちます。今回はこの強みを活かし、「冬らしさ」をどう表現するかをGrokを使って考えていきました。
Grokはこちら⇒https://grok.com
「冬を感じる動画」というテーマ設定
一口に「冬」といっても、そのイメージは人によってさまざまです。雪景色、冷たい空気、吐く息の白さ、こたつやストーブの暖かさ、静かな夜の雰囲気など、多くの要素が思い浮かびます。
冬を感じる動画を作るには、どんな要素を入れると分かりやすいか?
例えばこんな感じ
- 視覚的な要素(雪、白い景色、冬服)
- 音やリズム(静けさ、ゆっくりした動き)
- 感情面(少し寂しいが落ち着く雰囲気)
これで、単なる風景動画ではなく、「見た人が冬を思い出す映像」を作り上げることができます。

これだけでも冬らしさを感じるなも~

どんな動画になるか楽しみなも!
まず画像を作るためNano Banana Proで画像制作
Nano Banana Proを使う手順↓
- まずGeminiを開く。
- ツールを開き、画像を作成を押す。(思考モードにするとより良いものが出来る)
- 先程考えたテーマ設定{プロンプト(入力する質問・文章)}を入力する。

今回使用したプロンプトはこちら↓
添付の参照画像にいる2キャラクター(緑髪の擬人化キャラ+緑のスライムマスコット)を、同じキャラクターデザインのまま描いてください(髪色、目の色、顔つき、帽子の形、体型、スライムの形と目の表現は維持)。
シーン:冬の寒い夜の街。頭上に青・白・金のイルミネーションがアーチ状に広がり、2人が並んで上を見上げてやさしく微笑んでいる。
吐く息が白く見える。雪は少しだけ舞う(吹雪ではない)。
服装:擬人化キャラは緑系のロングコート+マフラー+手袋+ニット帽(または冬仕様のAIキャップ)。
足元はスニーカーかブーツ。スライムは小さなマフラー+耳当て(または小さなニット帽)。
光:イルミネの逆光で、髪と輪郭にリムライト。背景はイルミネが玉ボケになってキラキラ。
画風:手描き風の2Dアニメイラスト、やわらかい塗り、清潔感のある線、あたたかく静かな雰囲気、少しエモい。
構図:中望遠、2キャラは画面中央寄りで肩〜膝くらいまで見える。イルミネは上方向に広がる。
文字・ロゴ・透かしなし。余計な人物なし。
横長16:9。左に2キャラ、右上にイルミネの広がり。背景は控えめにボケる。
完成画像↓


イルミネーションがクリスマスを感じさせるなも~

ビジュよすぎなもぉ💕!!
Grokを使ったアイデア出しの流れ
次に行ったのは、具体的なシーンのアイデア出しです。Grokとやり取りを通して、次のような映像イメージを浮かべました。
- 静かに雪が降り続く街並み
- マフラーを巻いた人物がゆっくり歩く
- 冷えた空気の中で白くなる息
- きれいなイルミネーション風景
Grokは、これらの要素を「短い動画でも伝わる構成」にまとめる手助けをしてくれます。動画の長さは10秒前後を想定し、動きは少なめで、余白を大切にする方針にしました。

短い時間でも冬らしさを感じるなも~
Grokを使って動画制作
- まずGrokを開く。
- 動画制作できるところに移る。
- 考えたテーマとアイデアをプロンプト(入力する質問・文章)にして入力する。
下の画像の印から動画制作↓

ここにプロンプトを入力↓

冬らしさを表現するための工夫
冬を感じさせる動画では、「派手さ」よりも「空気感」が重要です。
今回は以下の点を意識しました。
1つ目は色合いです。白や淡い青、グレーなど、寒さを連想させる色を基調にすることで、画面全体に統一感を持たせました。
2つ目は動きのゆっくりさです。人の動作やカメラの動きを控えめにすることで、冬特有の静けさを表現しました。
3つ目は感情の余白です。説明的な要素を入れすぎず、見る人が自分の冬の記憶を重ねられるようにしました。

この3つの工夫をおさえると冬を感じるなも!!
今回使用したプロンプトはこちら↓
日本語版
アップロードされた冬のイラストを、キャラクター・衣装・配色・全体のスタイルのメインビジュアル参考として使用してください。
9:16の縦長構図、手描き風2Dアニメスタイルの冬の動画を制作します。
長さは約9〜12秒。
少女とスライムのマスコットは、参考画像に非常に近い見た目にしてください。
緑髪のアニメ少女:
ファー付きフードの緑の冬用コート、厚手の緑のマフラー、手袋、
もこもこの耳当てが付いた「AI」キャップを着用。
ライムグリーンのスライムマスコット:
丸いゼリー状の体、ピクセル風の可愛い目、ピンクのほっぺ、
もこもこの耳当て付き「AI」キャップと赤いマフラー。
舞台設定
夜の静かな冬のイルミネーション通り。
頭上には金色のライトがアーチ状に連なり、背景は強めのボケ表現。
柔らかな雪が降り、空気は冷たいが、雰囲気は温かい。
※ 画面上の文字なし/字幕なし/ロゴなし
※ インストゥルメンタルBGMのみ(穏やかで心温まる曲)
アニメーションとカメラワーク
0〜3秒
横からの全身ショット。
少女とスライムがライトのアーチの下を歩き、少しずつカメラに近づく。
少女の腕は自然に揺れ、マフラーと髪が冷たい風でなびく。
スライムはよちよち歩きながら、楽しそうに弾むように進み、歩くたびにマフラーが少し揺れる。
雪が周囲に舞い、吐く息がうっすらと白く見える。
3〜7秒
カメラが二人の前に回り込み、正面からのミディアムショットに切り替わる。
二人はスピードを落とし、画面中央で立ち止まる。
少女はイルミネーションを見上げ、満ち足りたようにそっと息を吐き、目がきらめく。
スライムも上を見上げ、体ごと傾けて、嬉しそうに2回ぴょんと跳ねる。
背景のライトがきらきらと瞬き、夢のような金色のボケが広がる。
7〜10/12秒
少女は少しかがんでスライムに近づき、優しい笑顔を向ける。
スライムの頭を軽くなでる、または赤いマフラーを整えてあげる。
スライムは嬉しそうにくねくね動き、その場で小さく回転したり、軽く跳ねたりする。
カメラはゆっくりと寄りながら上方向にチルトし、二人の視線を追って、
輝くイルミネーションと降り続く雪の美しい景色で締めくくる。
全体のムード
呼吸・まばたき・マフラーや髪の揺れ・雪や光のきらめきなど、
細かな動きが豊富で滑らかだが、全体としては落ち着いていて居心地の良い雰囲気。
恋愛系日常アニメのワンシーンのような、
温かくノスタルジックな冬の夜を感じさせる映像。
英語版
Use the uploaded winter illustration as the main visual reference for the characters, outfits, colors and overall style.
Create a 9:16 vertical, hand-drawn 2D anime style winter video, about 9–12 seconds long.
The girl and slime mascot must look very close to the reference image:
green-haired anime girl in a green winter coat with fur hood, thick green scarf, gloves, and an “AI” cap with fluffy ear covers,
lime-green slime mascot with a round jelly body, cute pixel-like eyes, pink cheeks, an “AI” cap with fluffy ear covers, and a red scarf.
Setting:
A quiet winter illumination street at night. Golden lights form an arch overhead, with strong bokeh in the background. Soft snow is falling, the air is cold but the mood is warm.
No on-screen text, no subtitles, no logos. Instrumental BGM only, calm and heartwarming.
Animation and camera movement:
0–3 seconds:
Side view full-body shot.
The girl and the slime walk together under the arch of lights, coming slightly toward the camera.
Her arms swing gently, her scarf and hair move in the cold breeze.
The slime waddles and bounces happily, its scarf swaying a little with each step.
Snowflakes fall around them and their warm breath is faintly visible.
3–7 seconds:
The camera curves in front of them and changes to a medium front shot.
They slow down and then stop in the center of the frame.
The girl looks up at the illuminations and takes a soft, contented breath, her eyes sparkling.
The slime also looks up, tilting its whole body and bouncing twice in excitement.
The background lights twinkle and shimmer with dreamy golden bokeh.
7–10/12 seconds:
The girl gently crouches a little closer to the slime and gives it a warm smile.
She lightly pats the slime’s head or adjusts its red scarf.
The slime wiggles happily, doing a tiny spin or hop in place.
The camera slowly pushes in and tilts upward, following their gaze toward the glowing lights above, ending on a beautiful view of the illuminations and falling snow.
Overall mood:
Smooth, lively animation with lots of small motions (breathing, blinking, scarf and hair movement, snow and light shimmer), but still calm and cozy.
A warm, nostalgic winter-night feeling, like a short scene from a romantic slice-of-life anime.
動画が完成!!!
作成した動画はこちら↓
Xで見るにはこちら
ティックトックで見るにはこちら

きれいなイルミネーションが良い味出してるなも~

寒さを感じるなも~!
動画制作を通して感じたGrokの強み
実際にGrokを使ってみて、一番感じた強みは、考えを分かりやすく整理してくれるところです。頭の中でなんとなく思い浮かんでいたイメージを、言葉としてはっきりさせてくれるため、その後の動画制作をスムーズに進めることができました。
特に、「なぜこの表現が冬らしいのか」を言葉にできたことで、映像全体にまとまりが生まれた点は大きな収穫でした。AIは直接動画を作らなくても、アイデアを深め、作品の完成度を高める大切な役割を果たしてくれます。
AI時代の動画制作について
GrokのようなAIを活用することで、動画制作は「すべてを一人で考えなくてもよい時代」になったと感じます。アイデアが思いつかないときや、どんな方向に進めばよいか迷ったとき、AIは気軽に相談できる存在になります。
大切なのは、AIに任せきりにするのではなく、自分の感じたことや考えと一緒に使うことです。そうすることで、自分らしさのある、オリジナルの表現につながっていきます。
おわりに
Grokを使って「冬を感じる動画」を作ってみて、AIは表現を考えるうえでとても頼りになる存在だと感じました。冬の静かな雰囲気や冷たい空気感など、言葉にしにくいイメージも、AIと一緒に考えることで少しずつ形にすることができます。
これから動画制作に挑戦したい方は、まず自分のイメージを整理するためにAIに相談してみるのもおすすめです。頭の中にある思いを引き出しながら、季節を感じる作品づくりを楽しんでみてください。



